二重生活

 

二重生活 [DVD]

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タイトルは原題の「浮城謎事」の方がカッコイイ。「浮城」の意味が分からないし(地名?)、全体の読み方も分からないけど(素直に読めば「ふじょうめいじ」だけど…)、「悲情城市」みたいでカッコイイのである。(同じ漢字四文字でも、「世露死苦」はカッコ悪い)

内容は、映画の煽り文句によれば、「メロドラマ・ミステリー」だそうである。そんな言葉は初めて聞いたけど、観てみたら、まあ合ってはいる。

特に芸術性や社会性が高いわけではない。どちらかと言えば、エンターテイメント作品と言えなくもないが、「エンターテインメント」という言葉の持つ「楽しい」とか「娯楽」といったイメージからはこの作品は遠いところにある。だからこその、「メロドラマ・ミステリー」なんだろう。

で肝心のストーリーだが、最初はいくつかの謎(それはある登場人物が別の登場人物に対して隠していることと、監督が観客に隠していることの両方)のために、ミステリアスな雰囲気に満ちている。

それも、種明かしされるにつれてだんだんとミステリー色が薄れ、最後はただのメロドラマで終わる。

ということで、この映画は、「メロドラマ・ミステリー」ではなく、「ミステリー・メロドラマ」なのである。