アンジェラ

 

アンジェラ スペシャル・エディション [DVD]

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 エンドロールを見て気づいたことが二つ。

一つは、監督がリュック・ベッソンだったこと。2 5年くらい前に深夜のテレビで『サブウェイ』を見て、一発でこの監督が好きになった。『ニキータ』『レオン』『グラン・ブルー』も傑作だ。これ以外の、傑作とは呼び難い作品をいくつか見せられてご無沙汰となっていたので、『アンジェラ』という作品を撮ったこと自体知らなかった。

もう一つは、この映画のタイトルが『ANGEL・A』だったこと。アマゾンの商品紹介やウィキペディアでは、中点(・)ではなくてハイフン(-)のようだけど、それはどっちでもいい。要は、「アンジェラ」と読みつつ、「エンジェルA」、つまり「天使A」とも読めるということ。この「A」はもちろん、「少女A」(歌:中森明菜)の「A」と同じで、『ANGEL・A』は「ある天使」といった意味がある。つまりこの映画のタイトルを意訳すれば、「ある天使の場合」とか「ある天使のお話」になるだろう。

アンジェラ役のリー・ラスムッセンがいい。ナタリー・ポートマンやミラ・ジョボヴィッチみたいなオーラはないが、完璧なボディと、特に前半部分の不敵な言葉と振る舞いが素晴らしくかっこいい。

ストーリーは単純明快。全く凝ったところがない、古典的ともいえる筋書き。ただ、アンドレ(主人公)が、アンジェラが愛するほどに魅力的な人間に変わったかというと、観てる側からは疑問がある。そのあたりがこの映画に対する不満ではある。理屈的に納得できなくても、気分的に納得できるなにかがあればよかったと思う。

総合的には、「観て損した」と「観てよかった」のどちらかといえば、後者である。それもリー・ラスムッセンがいたからこそで、もしも日本でリメイク版を作ったら、まず「陳腐」という評価は免れまい。