中村ゆりin「その街の今は」

なぜに今頃、「平成22年度」文化庁芸術祭参加作品の、第7回日本放送文化大賞「準」グランプリ受賞作品が放映されなければならなかったのかは分らないが、見終わってみれば、どうしても「準」でしかないよな、この作品は、と思ってしまう。というのも、ストーリーに核がなくて、物語としての出来がよくない。ちょっと切ない青春ストーリーなのかと思えば、ノスタルジック大阪に傾きつつ、かと言ってそこにどっぷり浸かることもない。中途半端なのである。
しかし、主演の中村ゆりのキュートな魅力はとても捨てがたいもので、なんとかこの作品を持ち上げることによって中村を取り上げたくなって、それゆえの「準」グランプリなのだろうと勝手に想像する。
そう。中村ゆりがいいのである。
そして、もう、こんな若い子と甘酸っぱい関係になることはないと思うと、若い頃もっと思い切り、やりたいことをやり尽くすように生きなかったことを後悔するのである。