わたくし率 イン 歯ー、または世界

わたくし率 イン 歯ー、または世界 (講談社文庫)

わたくし率 イン 歯ー、または世界 (講談社文庫)


なぜか「わたくし率 イン 歯ー、あるいは世界」って言いそうになる。
川上未映子はどうやら「世界」が好きらしい。
川上未映子は詩に近いところで感覚的に文章を連ねるのが得意なのかと思っていれば、2,3週間前の読売新聞の書評(誰の何という本を論じていたのかは忘れた)では、実に論理的な文章を展開していて、なんだ、バカなふりして実は頭いいんじゃないの、とか思って、いまだ川上未映子の正体を掴みきれないのであった。
で、「わたしく率」に話を戻すと、やっぱり詩っぽいとことキッチリしたとことがあって、実のところ、青木の彼女のしゃべくりという、実に詩的情緒から離れたとこが痛快だったのでした。