シェイプ オブ ウォーター

 

 

人魚姫の男と女を逆にするアイデアから連想していけば、こういうストーリーになるのだろうけれど、それで面白い映画ができるとは到底思えない。しかも、男の方はグロい半魚人で、女の方はちょっと年増である。なのに面白い映画になったのはなぜなんだろう。

まず思ったのは、画が魅力的だということ。設定としては1950年代あたりのアメリカなんだけど、近未来的な雰囲気もあり、登場している車やらなんやらデザインがカッコいい。モノだけでなく、画面のアングルとかもしっかり計算されていて、絵になっている。

主人公が年増なのも、考えようによっては成功である。おじさんたちからしたら十分若いおねえちゃんなので、アイドル映画なんぞ見たくない世代には丁度いいんである。

脇役もしっかり働いている。指を食いちぎられた悪役は脇役というより助演男優賞クラスの重要ポジションだし、イライザの同僚の黒人女性は頼れるおばちゃんを好演していた。ソ連のスパイや絵描きのおじいちゃん(イライザとの関係がもひとつ分からなかったけれど)もイイ味だしてました。

そんなこんなで面白い映画になっていますが、これはやっぱり、題材より演出、つまり、何を撮るかじゃなくて、どう撮るかの方が大事だということなんだな。