グラン・トリノ

やっぱりクリント・イーストウッドは、俺の唯一嫌いな映画監督だと再認識した。

ヤツは、人間の尊厳を踏みにじる行為を映画の中で描くことに(それは直接的でない場合も含めて)ためらいがない。現実世界にいる被害者の苦しみに思い至ることがない。

私たちは映画の中の殺人事件に苦しむことはない。それは、殺された人間はこの世におらず、映画を見ることができないからだ。しかし、犯罪被害者や障碍者は、この世で苦しみや悲しみを抱いて生きている。そんな人たちがヤツの映画を見てどう感じるかという視点がヤツにはない。クソ野郎だ。