クラインの壺

 

クラインの壷 (新潮文庫)

クラインの壷 (新潮文庫)

 

 現実だと思っていた体験がほんとは壺の中だったというオチだというのは読み始めてからすぐに予想できて、ところが、主人公がそれと気づいた現実もやっぱり壺の中だったというのも同じく予想できて、結局、今あるところが現実なのか壺の中なのか分からなくなるというのも予想の範囲内で、つまりは特別斬新なアイディアというわけでもないのだけど、スラスラと4,5日で一気読み(私的にはそのくらいの期間で1冊の本を読み切るのは一気読み以外の何物でもない)できる軽さは、しばらく読書する気がなくなっていた状況から脱出する機会となりそうなのでありがたい。