九月が永遠に続けば

九月が永遠に続けば (新潮文庫)

九月が永遠に続けば (新潮文庫)


悲惨小説2連発である。なぜこんな悲惨なエピソードを書かなければならないのか、分らない。あえてその理由を想像すれば、「男を獣にしてしまう女」というものを書きたかったのか。それが嫉妬なのか憐みなのか知らないが、女の作家が女にとって残酷な事件を書く理由がほかに思い浮かばない。まさか、悲惨さを書くことが人間や人生の真実を書くことだと思っているなんてことはないだろう。あるいは、「ホラーサスペンス大賞」という文学賞に似合う題材を選んだということなのだろうか。
56歳の女だから書けたのか、あるいは、書いたのか。