異類婚姻譚

この作品のどこが芥川賞に値するのか分からない。

本谷有希子は、「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」と「生きているだけで、愛。」を読んだことがある。うまい下手は関係なく、勢いというか必死というか、若さゆえの青臭い魅力が若さゆえの未熟さを上回っていた。

それに比べて本作は文章がうまくなっている。若い頃の作品しか知らない私には、これが本谷作品とは思えない。ただ、うまくなったからいい作品と言えるかは別。それなりに面白くはあるけれど、繰り返すが、これが芥川賞を獲った理由が分からない。

分からない私がバカなだけなんだけど。