李鷗

仮にこの作品を僕が書こうとしたら、拳銃の構造に詳しくないといけないし、旋盤やフライス盤の使い方も覚えないとダメだし、中国語を書いたり読んだりできないといけないしし、クラブやバーがどんなところか分かってないといけないし、つまりは、関係者に取材するか、関係書籍を読むか、とにかく勉強しないとこの小説は書けないわけで、高村薫が工業高校卒のガンマニアで、銀座の(じやなくてもいいけど)クラブでバイトしながら中国人の恋人と付き合ってたのなら別だけど、そうでなかったら(たぶんその全部が「そうでない」の方だと思うけど)どうやってそれらの知識を得たのだろう。

作家というのは大変な職業だと思う。