我らが少女A

4月から読み始めたのがこの小説のどこらへんだったのか、3月までのことを知らないので、分からない。

だから、今日、毎日新聞の連載が終わったのが唐突に感じてしまうのも、3月までの分を読んでいないからなのか、そうじゃないのかも僕には分からない。

少なくとも4月以降は、それほど劇的な展開もなく(上田朱美が栂野のおばあさんから手紙をもらっていたことが判明したのが、どうやら重要ななにかだったようだが、それも3月までの伏線を知らないと理解できないことのような気がする。)、何も謎が解けぬまま、いきなり小説が終わった。

高村薫の小説を読んだことはなかったけれど、ときどき彼女が書いた評論みたいなものを新聞とかで読むと、とても分かりやすく、また的を射てもいて、好ましい文章だと思っていた。それで、この人の本を一度はちゃんと読もうと思い、TSUTAYAで文庫をチラ読みなどすると、なぜか読みたくなるものが見つからないのである。

今回の「我らが~」の文章も、味があるというか噛みごたえがあるというか、内容は兎も角、文章自体に魅力があって好きだった。けど、本屋に行ったら、やっぱり高村薫は買わないんだろうなあ、オレ。