イレブン ミニッツ

映画プロデューサーを騙って人妻を籠絡しようとする男と騙されそうな女と、その夫は二人がいる部屋を探すためにホテルの廊下をウロチョロしている。ホットドッグ屋はシスターや犬を連れた女に商品を売り、バイク便の配達夫であるその息子は配達先で間男しそこなったり、ヤバそうな相手から逃げたりした後に親父と合流する。ホテルの外壁に吊るされたゴンドラの作業員は、休憩時間中に客の女とポルノビデオを鑑賞するが、時間切れで仕事に戻りガスバーナーに点火する。質屋に強盗に入った男は首吊り自殺体を見て逃げ出しバスに乗る。河原で絵を描いていた老人は、スタントマンが橋から飛び降りた瞬間に画用紙にシミが落ちたのを期に帰途に着く。クスリでラリった半裸の男を麻酔注射で眠らせて排除した病院スタッフは、陣痛の始まった男の妻と二人の子と心臓の止まりそうな父親を病院に搬送する。

一見バラバラだった登場人物たちは、一つの事故の被害者として全員死亡する。

大きな事故で多くの人が同時に亡くなると、我々は、「事故で亡くなった方々」というふうに一括りにするが、「事故で亡くなった方々」にもそれぞれに人生があった、というより、それぞれの人生を生きてきた人たちがたまたま同じ事故で亡くなっただけなのである。