難民探偵

 

難民探偵 (講談社文庫)

難民探偵 (講談社文庫)

 

 

事件の解決の仕方に納得いかないのは、4時間半もネットカフェにいたらコーヒーの二三杯は飲んでカップに唾液が残ってるだろうし、着替えたコートには体毛がくっ付いてるだろうしで、それらをDNA鑑定すれば山名がそこにいたことが分かるだろう。指紋だって山ほど残ってるだろう。

まあ、ふつうに推理小説じゃないので、そんなところに目くじら立てることもないのだが、かといって、証子のツッコミ(それは心の中で呟かれるだけなのだが)を楽しむのも、化物語における戦場ケ原ひたぎの直截的で意地の悪いツッコミに快感を覚えた者としては飽き足りない。
ということで、この作品、ひまつぶしとして読むなら不満は(それほど)ない。