困ってるひと

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本じゃなくてポプラ社のサイトで読んだのだけど(売上に貢献できず申し訳ない)、じつにおもしろかった。全17話、なかには面白くない回もあるにはあるけれど、たぶん、それらを含めて読み通してこそのこのエッセイのすごさなのだろう。
なかでも、「第11回 わたし、マジ難民」と「第12回 わたし、生きたい(かも)」を続けて読んで、おそらく号泣した読者が続出したはずである。人が他人(それは知人とか友人を、もちろん含むのだ)のために尽くすことに限界があることがフツウで当たり前のことだと気づかされることは、つらい。そのことを淡々と受け入れる「第11回」のあと、だからこそ、「第12回」の「最初で最後のまともな恋」が切なくて美しい。
そして、ダメ押しが「クマ先生、ミスる」である。「絶望」という言葉がよくわかるエピソードである。「裏切る」とか「本音」とか言わずに「ミスる」としたところに著者のやさしさ(それはギリギリのところであるのだろうが)とものごとを正確に見通す力を見る。そして、そのあとの「その人」との「中学生みたいなキス」に、読者は、少女マンガを読んだようにほんわかとしてあったかいキモチにさせられる。
がんばれ、難病女子!