日曜日たち

日曜日たち (講談社文庫)

日曜日たち (講談社文庫)


読みかけの文庫をもって飛行機に乗り、機内で読み終わらなかった分を羽田空港のマクドナルドで読んだ。
泣けた。もし、周りに誰もいなければ号泣していた。(でも、マクドナルドの店内ではさすがに我慢する)
5作の短編集なのだが、恥ずかしながら、それぞれのストーリーに関連性があることに最初気づかず、それと知ったのは3編目であった。
それというのも、幼い兄弟たちが全ての短編に出てくるのだが、最初はちょっとしたアクセント的な存在で、5作ともそれぞれ兄弟とは別の人間が主人公として登場し、5作は一つひとつを単独の作品として読んでも十分面白いものだからである。
兄弟は最後の5作目ではかなり重要な役割で登場し、その作品の主人公とのからみで泣かせられる。「泣ける」本とか「感動」本とかは読みたくないが、その手の帯もついてなかったのでだまされて読んだ、というか、この「日曜日たち」には結果的に泣かせられたものの、いわゆる「泣かせ本」(いま考えた造語)ではない。泣かせることが目的でなく、あくまで結果として泣いただけだから。(って、どこが違うのか…)