ワンちゃん

ワンちゃん (文春文庫)

ワンちゃん (文春文庫)


僕の記憶では、楊逸さんはこの作品が芥川賞候補になったものの受賞を逃し、その理由が、選考委員の弁によれば「日本語がうまくない」(とは言ってないが、まあ、そんなイミのこと)だった。
でも、楊逸さんが中国人と知らなければそんなことは思わなかったんじゃないかな。言葉遣いがまったくおかしくないかと言えば、ごくたまに、「ん?」というのはあったけど、それも、「日本語がヘタ」というより、表現が個性的なんだと受け取れなくもないし、そもそも日本人作家だって「ん?」てなことはあるし。
「老処女」のほうもなかなかよし。