第142回直木賞

オール讀物 2010年 03月号 [雑誌]

オール讀物 2010年 03月号 [雑誌]


受賞作『廃墟に乞う』と『ほかならぬ人へ』が掲載された「オール読物」3月号を買った。960円。表紙のデザインが古臭いが、2作品も読めるのなら単行本を買うよりお得と思った。表紙に「表題作全文掲載」とあったのが気にかかったが、読んでみたあとで気づいたのは、それぞれの単行本のなかの表題作だけが掲載されているということのようだった。お得感が薄れた。
『廃墟に乞う』は、夕張の街の道順を説明するくだりはしつこいが、話は面白い。単行本は買わないだろうけれど、文庫なら買いたい気にさせられる。
『ほかならぬ人へ』は最初は面白かったけれど、中盤以降ダレる。
ついでにほかの作品も読んでみる。藤堂志津子(名前はなんとか知っている)の「彼女の晩年」は、5ページで読む気がなくなった。荻原浩(名前はなんとなく知っているような知らないような)の『幸せになる百通りの方法』は、あまりにもひどいので2ページでギブアップ。お得感はなくなった。