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ライフ・ゴーズ・オン

ライフ・ゴーズ・オン (双葉文庫) 作者: 東山彰良 出版社/メーカー: 双葉社 発売日: 2013/03/14 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 直木賞受賞作が文庫になるまで待つつもりでいたら、受賞に当たっての感想が新聞に載っていて、それが気持ちのいい…

冷たい方程式

冷たい方程式 (ハヤカワ文庫SF)作者: トム・ゴドウィン・他,伊藤 典夫出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2011/11/10メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 28回この商品を含むブログ (41件) を見る 9作載った短編集。表題作はあとの楽しみに残して、一番目の「…

スクラップ・アンド・ビルド

祖父を手厚く介護することで弱らせるというところにおかしみがある、という触れ込みだったけれど、可笑しくない。そういう面倒なことは、頭か心が異常な人間しかやらない。だからこの作品は、ただのくだらない冗談にしか思えない。又吉が芥川賞に微妙だと先…

火花

今までイッキ読みというものをほとんどしたことがない私にイッキ読みさせたのだから、面白いことは面白い。神谷の言動は彼の笑いに対する哲学あるいは思想であって、これが徳永や我々読者を魅了する。そして、神谷と徳永の会話は漫才の掛け合いのようなおか…

楽園のカンヴァス

楽園のカンヴァス (新潮文庫) 作者: 原田マハ 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2014/06/27 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (18件) を見る 久しぶりに面白い小説を読んだ気がする。 監視員として美術館で注意した生意気な女子高生(美形)が、家に帰…

何もかも憂鬱な夜に

何もかも憂鬱な夜に (集英社文庫) 作者: 中村文則 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2012/02/17 メディア: 文庫 クリック: 43回 この商品を含むブログ (25件) を見る いまをときめく芥川賞作家ピース又吉の解説付きというのがお得感。 中村文則の(たぶん)…

遮光

遮光 (新潮文庫) 作者: 中村文則 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2010/12/24 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 6回 この商品を含むブログ (10件) を見る ただ狂人を狂人の側から書いただけの小説。 「教団X」は「火花」とともに、いま一番読みたい本だ…

難民探偵

難民探偵 (講談社文庫) 作者: 西尾維新 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2015/07/15 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 事件の解決の仕方に納得いかないのは、4時間半もネットカフェにいたらコーヒーの二三杯は飲んでカップに唾液が残ってるだろ…

対岸の彼女

対岸の彼女 (文春文庫) 作者: 角田光代 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2007/10/10 メディア: 文庫 購入: 8人 クリック: 70回 この商品を含むブログ (166件) を見る ほぼふつうの日常が描かれているので、その中にどれだけ特別なこと、心に刺さることを…

悪と仮面のルール

悪と仮面のルール (講談社文庫) 作者: 中村文則 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2013/10/16 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (3件) を見る 設定からしてマンガチックなところはあるが、楽しんで読めた。 中村文則はしばらく読みつづけてみたいと思う。

漂砂のうたう

漂砂のうたう (集英社文庫) 作者: 木内昇 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2013/11/20 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (3件) を見る 1年以上前に買って、一、二度挫折して(七、八回ならはっきり覚えてなくても仕方ないが、一回か二回だったら、どっ…

その女アレックス

その女アレックス (文春文庫) 作者: ピエールルメートル,橘明美 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2014/09/02 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (92件) を見る 二、三度、話の展開に驚く。

ロック母

ロック母 (講談社文庫) 作者: 角田光代 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2010/06/15 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 12回 この商品を含むブログ (16件) を見る 文章が読みやすいので、文学とは呼びづらく、小説と呼ぶしかないので、それが正当な評価を…

世界堂書店

世界堂書店 (文春文庫) 作者: 米澤穂信 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2014/05/09 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (25件) を見る たまたま読んだ新聞に真梨幸子が紹介されていた。彼女が書く作品は、ミステリーの中でも「イヤミス」と呼ばれる、…

舟を編む

舟を編む (光文社文庫) 作者: 三浦しをん 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2015/03/12 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (7件) を見る 甘ったるい少女マンガみたいな小説だと思って読み終えて、解説を見れば、女性誌『CLASSY.』(読んだことはない)に…

64(ロクヨン)

64(ロクヨン)(上) (文春文庫) 作者: 横山秀夫 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2015/02/06 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (1件) を見る 64(ロクヨン)(下) (文春文庫) 作者: 横山秀夫 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2015/02/06 メ…

満願

満願 作者: 米澤穂信 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2014/09/12 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (3件) を見る これまで読んだ米澤穂信の本(2冊しか読んでないけど)は後味が悪かった。この本はそれが随分薄められて読みやすくなっている。 一…

女のいない男たち

女のいない男たち 作者: 村上春樹 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2014/04/18 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (91件) を見る 『1Q84』や『多崎つくるの巡礼とかなんとか(うろ覚えすぎる)』に比べると全然話題になっていなかったものの、結…

カラスの親指

日本からアムステルダムに向かう12時間でちょうど読み切る。アラを探せばいくつかあるが、以前読んだ『向日葵の咲かない夏』に比べたら雲泥の差の出来。もちろんいい方の。 カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫) 作者: 道尾秀介 出版社/メーカ…

パラダイス・ロスト

パラダイス・ロスト (角川文庫) 作者: 柳広司,森美夏 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 2013/06/21 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (8件) を見る 「ジョーカー・ゲーム」シリーズ第3弾。 シリーズ第1作があまりにも面白すぎたので、第2、第3作はおま…

六つの星星

六つの星星 川上未映子対話集 (文春文庫) 作者: 川上未映子 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2012/09/04 メディア: 文庫 クリック: 3回 この商品を含むブログ (9件) を見る 対談相手だけでなく川上未映子さんも、みんな頭が良くって(かなり僻みが入って…

忍者月輪

読売新聞連載が終わった。作者は津本陽。 信長や秀吉、光秀とかはさすがに分かるけど、たくさん出てくる武将たちの名前を覚えきれず、誰が誰の仲間で誰が誰の敵なのかきちんと理解してないまま、でも、そういうのを気にせず読んでたらそれはそれで面白かった…

式の前日

式の前日 (フラワーコミックスα) 作者: 穂積 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2013/04/26 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (3件) を見る 明日結婚する二人、だけどなんかワケありっぽい二人の、式前日の微妙なやりとりを描いているのかと思って読…

ぼくらのフンカ祭

ぼくらのフンカ祭 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕) 作者: 真造圭伍 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2012/07/30 メディア: コミック クリック: 112回 この商品を含むブログ (25件) を見る あとがきに「高校の時にできた友達とは、今でもたまに会っていま…

怒り

吉田修一が読売新聞に書いていた連載小説が先日おわった。 吉田修一の作品は3,4作しか読んでいないが、今回の『怒り』は『悪人』に似ていたように思う。ストーリーが、じゃなくて、テイストが。 怒りには、特定の誰かに対するものと、誰にということはなく…

みかこさん

本日、215話で完結。 絵的にもストーリー的にもエロ要素のないところが、物足りなさよりも清々しさを感じさせた。 絵的には、「ああ、こんな絵もアリなんだ」と気づかせられた。描き込んでもいないし、デッサン的にリアルでもないし、主人公は絵的に魅力…

朗読者

朗読者 (新潮文庫) 作者: ベルンハルトシュリンク,松永美穂 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2003/05/28 メディア: 文庫 購入: 7人 クリック: 104回 この商品を含むブログ (170件) を見る 8月に読んで、感想を書き忘れていた。 前半の、年上の女性に魅かれ…

めだか、太平洋を往け

先日、重松清の新聞連載小説が終わった。これまで氏の小説を読んだことがなく、これからも読む気がなかったので、タダで読める新聞小説でためしてみたのだが、やはりこれからも氏の小説を読むことはないだろうと確信した。たまたまなのか知らないが、真面目…

クラインの壺

クラインの壷 (新潮文庫) 作者: 岡嶋二人 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1993/01/28 メディア: 文庫 購入: 8人 クリック: 24回 この商品を含むブログ (62件) を見る 現実だと思っていた体験がほんとは壺の中だったというオチだというのは読み始めてからす…

アトミック・ボックス

毎日新聞の連載小説「アトミック・ボックス」が先日、最終回を迎えた。 新聞小説が終わるときはいつも、「あれ?もう終わり?」と思う。今回も、振り返ってみれば、主人公が大手雄一郎と議論(?)したところがクライマックスだっと分かるけれど、そのときは…