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異類婚姻譚

この作品のどこが芥川賞に値するのか分からない。 本谷有希子は、「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」と「生きているだけで、愛。」を読んだことがある。うまい下手は関係なく、勢いというか必死というか、若さゆえの青臭い魅力が若さゆえの未熟さを上回って…

未必のマクベス

この小説は、偉大なるデキソコナイである。 (以下、ネタバレあり) ストーリーが、破綻しているとまでは言わないが、ちょっとおかしいんじゃないかと思うところがいくつもある。 特にひどいと思うのは、主人公中井は森川が鍋島であることに気づかないが、読…

コンビニ人間

心に障害のある主人公と彼女の周りとの間に生じる摩擦を彼女の側から描いた作品である。 と言っても、障害者の苦悩を訴えたり、障害を克服する姿を感動的に見せたりする類いのものでは全くない。(そもそもこの作品の中に「障害」という言葉自体でてこない。…

李鷗

仮にこの作品を僕が書こうとしたら、拳銃の構造に詳しくないといけないし、旋盤やフライス盤の使い方も覚えないとダメだし、中国語を書いたり読んだりできないといけないしし、クラブやバーがどんなところか分かってないといけないし、つまりは、関係者に取…

暗幕のゲルニカ

暗幕のゲルニカ (新潮文庫) 作者: 原田マハ 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2018/06/28 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (2件) を見る 「楽園のカンヴァス」があまりにも面白すぎて、原田マハの最高傑作はこれだろうと思うと、彼女の他の作品を読む気…

我らが少女A

4月から読み始めたのがこの小説のどこらへんだったのか、3月までのことを知らないので、分からない。 だから、今日、毎日新聞の連載が終わったのが唐突に感じてしまうのも、3月までの分を読んでいないからなのか、そうじゃないのかも僕には分からない。 …

セブン殺人事件

文庫の帯に、「書店員が選んだもう一度読みたい文庫ミステリー部門第1位」とある。この本自体に文句を言うつもりは毛頭ないが、いろんな文学賞やらなんやらでお客に買わせよう買わせようとするのは、読んでから読んでよかったと思える本だけにしてほしい。繰…

杳子

杳子・妻隠(新潮文庫) 作者: 古井由吉 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2017/05/26 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る きのうは1ページ目で眠くなった。缶ビールを2本飲んでたので仕方ないと思ったが、今日は3ページ目で挫折しそうになり、…

流 (講談社文庫) 作者: 東山彰良 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/07/14 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (5件) を見る この小説には、青春があり、暴力があり、友情があり、憎しみがあり、謎があり、愛がある。 こんだけ盛りに盛ったらふつうウ…

国宝

吉田修一の朝日新聞連載小説が終わった。 俊介が死ぬあたりから小説内の時間がバタバタと進みすぎで、もうちょっとゆっくりたっぶり書き上げてくれたらよかったのにと、残念ではある。ということは、この作品、面白かったということでもある。

ルーブルの猫

たぶん、松本大洋は発展途上なのだろう。作品ごとに絵柄が違い、「これが松本大洋の絵だ」と確定したものがまだない。もちろん、どの作品にも松本大洋らしさはあるのだが、いつもそれまでとは違った描き方を試しているようなところがある。 それで、本作だが…

サラバ!

いや、まあ、それなりに面白かったけれど、初めて読んだ「漁港の肉子ちゃん」の衝撃がすごすぎて、この「サラバ!」が直木賞だったら、「漁港の肉子ちゃん」にもなんかやってくれ!

芥川賞・直木賞

朝日に載ったエッセーは、芥川賞を受賞した石井さんが直木賞っぼくて、直木賞を受賞した門井さんが芥川賞っぼい文章だ。

11人いる!

ウィキペディアで調べると、「11人いる!」は1975年に「別冊少女コミック」に連載されたとある。僕が読んだのはそれから数年後のことで、たしか文庫サイズのコミック本だった。その本はボクにとって宝物と言っていいくらいだったのだけど、たかがマンガ本く…

チャンピオン

「アリバイ・アイク」の中の2番目の短編。 ただ単にケンカの強い男が、ボクシングでチャンピオンになったからといって、人格者になるわけもなく、他人や家族に優しくなるわけもなく、自分勝手な人生を送るだけの話なんだけど、だからといって因果応報とか最…

騎士団長殺し

騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編 作者: 村上春樹 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2017/02/24 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (42件) を見る 騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編 作者: 村上春樹 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2017/02/…

炎上する君

炎上する君 (角川文庫) 作者: 西加奈子 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング) 発売日: 2012/11/22 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (12件) を見る 短編集は短編を一個ずつ読めるから楽チンといつも思うのだが、最後まで読んだときに…

白いしるし

白いしるし (新潮文庫) 作者: 西加奈子 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2013/06/26 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (13件) を見る 飛行機の中で読む本を空港の売店で探したら、西加奈子の文庫があったので買った「白いしるし」。 間島昭史や瀬田みた…

グラスホッパー

前に読んだときは面白かった気がしたんだけど、今回読んだらそうでもなかった。元々その程度の作品だったのか、おれの脳ミソが衰えたのか。

まほろ駅前多田便利軒

まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫) 作者: 三浦しをん 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2009/01/09 メディア: 文庫 購入: 10人 クリック: 196回 この商品を含むブログ (274件) を見る 記憶力がないので、読み返したら前の記憶は99%なくなってて、新鮮な気持…

『春に散る』

沢木耕太郎の朝日新聞連載小説が終わった。まあまあ面白かった。 老人たちが一つの家に住むまではちょっとセンチメンタルな小説かと思い、将吾が出てきてスポーツものかと思い、加奈子に特殊能力があると分かってオカルトチックに変わるかと思い、つまりはこ…

往復書簡

美人で頭がよくて、でも、性格がちょっと変わっている後輩女子が、湊かなえでは『告白』の次に好きと言うので読んでみたが、あまり面白くはなかった。なんでだろう?

迷いの旅籠

宮部みゆきの日経新聞連載が終わった。 衝撃の、とか、感動の、とか、涙が止まらないとか、そんな類いの作品ではありません。ホームランではなく単打狙いと言いましょうか、作者は、作りは小品、佳作にしておいて、その中に物語としての面白さを込めました。

沈黙法廷

西日本新聞で読んでいた佐々木譲の連載小説が終わった。 真犯人が捕まるまで続くのかと思っていたら、おそくらコイツが真犯人だろうと読者に分からせるところで終わった。真犯人が誰かというのは、この小説には関係ないことなのだ。 NHKがドラマ化すると…

ふる

ふる (河出文庫) 作者: 西加奈子 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2015/11/06 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 白いふわふわしたものとか出さなくていいし、空から降ってくるような文字にどんな意味があるのか分からないし、新田人生が何…

青空と逃げる

読売新聞で連載していた辻村深月の小説が先日おわった。これからやっと本題が始まると思っていたら、いきなりぷっつり終わってしまった。読んでる方としてはこれから面白くなるかと思ってたけど、書いてる方からしたらこれまでが面白かったんです、ってこと…

王とサーカス

王とサーカス 作者: 米澤穂信 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2015/07/29 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (29件) を見る いま、ブログのタイトルを打ち込んで思ったのだが、作者は、「報道とは何か。他人の不幸(「サーカス」と言い換えできる…

赤目四十八瀧心中未遂

赤目四十八瀧心中未遂 作者: 車谷長吉 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2001/02 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 48回 この商品を含むブログ (100件) を見る 「併し」という言葉がやたら出てくる。カギカッコで囲んだ名詞にも“。”が付く(例えば、「…

新二都物語

先日、しんぶん赤旗で連載していた「新二都物語」が終了した。作者の芦辺拓という人は全く知らなかったが、めちゃんこ面白かった。

ふくわらい

ふくわらい (朝日文庫) 作者: 西加奈子 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2015/09/07 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (3件) を見る 「漁港の肉子ちゃん」級の傑作である。 なぜ面白いのか自分で考えるのが面倒で、巻末の上橋菜穂子(本作を第1…