アルテミスステークス
2-11で勝負して玉砕。
コンビニ人間
心に障害のある主人公と彼女の周りとの間に生じる摩擦を彼女の側から描いた作品である。
と言っても、障害者の苦悩を訴えたり、障害を克服する姿を感動的に見せたりする類いのものでは全くない。(そもそもこの作品の中に「障害」という言葉自体でてこない。)
誰もが、職場や学校や街中で「困った人」の一人や二人見たことがあるだろう。どこかフツーの人とズレていて、訳の分からないところで怒りだしたりする人である。主人公は他人を怒ったりはしないが、フツーであることが理解できず、しかし、フツーであるフリをしないと暮らしにくいことは理解している。
そういう主人公を通して、この作品は読者に、フツーであることの異常さとか醜さとかを見せつけている。我々がフツーだと思っていることが本当はフツーじやないんだと教えてくれる。
グッバイ・ゴダール
ゴダールが生きていたらこの映画に怒り狂うであろうから、ゴダールがすでに死んでいることを教えてくれる映画である。というのはさておき、それくらいゴダールを愚かで性格の悪い人物として描いている。それが逆にゴダールを魅力的に見せているのならいいのだが、単なるバカで性悪な男を見せられるだけだから、映画としては面白くない。
だけど、ゴダールの妻、アンヌ役であるステイシー・マーティンがとても可愛い。ヌード姿の小さな乳房がとても可愛い。
この映画は、見苦しいゴダールではなく、可憐なステイシー・マーティンを(アンヌではなく、アンヌを演じているステイシー・マーティンを)観て楽しむ映画なのである。
たかが世界の終わり
よく分からない映画だ。
特に兄がなぜあれほど弟を嫌うのか。映画の中で説明シーンもない。
兄の嫁が弟に語ったのは、「あなた(弟)はあの人(兄)に関心がない」。これが、兄の弟に対するひどい態度の理由なのか?
よく、振られた女(男でもいいけど)が、「好きの反対は嫌いじゃない。無関心よ」と言うが、自分に対する弟の無関心が、あれほどひどい言動につながるのだろうか。仮に、弟を愛しすぎるがゆえに、だとしても。なんか、それだけじゃないような気がする。
ふつうなら、12年前になにか事件があって、それが理由で弟が家出した。そのときのしこりが12年経った今も消えていない、といったところだ。しかし、12年前になにか事件があったようなシーンはない。ないこともないかと思うシーンもあるが、これが断片すぎてまたよく分からない。たぶん、弟は当時からゲイで、同じ歳くらいの男の子が宵闇に隠れて弟の部屋(もしくは半地下室あるいは物置)を訪れていたらしきシーンである。
その男の子は、兄の話では最近死んだらしい。弟はその死を知らなかった。そして、このエピソードはそれ以上の展開を見せない。
結局、兄の憎しみなのか悲しみなのか怒りなのか、あるいはその全部なのか知らないが、弟に対する感情の原因は観客に明らかにされない。もしかしたら、登場人物たちも知らないのかもしれない。
そういう、訳の分からない話なのである、この映画は。
君の膵臓を食べたい
基本的には、「泣ける映画」はなるべく観ないようにしているのだが、なぜかミステリー要素のある映画だと思い違いをしていたことと、主演が浜辺美波だったことから、レンタルしてみた。
そしたらミステリー仕立てなどではなく、やっぱり泣かされてしまった。号泣である。通称「仲良しくん」が、桜良の家で桜良のお母さんに、「もう泣いていいですか?」と言って号泣するシーンで、私は「仲良しくん」以上に号泣してしまった。
ほんと、歳をとったら涙腺の緩みかたはハンパない。先日、録り溜めていた「チア☆ダン」の第2話、委員長が8人目の部員に立候補した場面で、嘲笑する生徒に対して若葉が、「人が好きなことするの、笑わんといて」と気っ風を切るとこで、やはり号泣してしまったくらいである。
といったことはさておき、浜辺美波はもう滅茶苦茶かわいかった。これも歳をとったせいなのだろうが、若いコがかわいくてたまらない。
浜辺美波を知ったのは、NHKラジオ第2の「ボキャブライダー」という英語の教育番組である。ラジオだからもちろん画はないのだけど、声だけ聴いていても無茶苦茶かわいく思えた。こういうケースではふつう、本人は画像で見ないほうがいいと決まっているが、ついついネットで検索したら見た目もかわいいので、今回、「君膵」を借りたというわけである。
そしたら浜辺美波はやっぱりかわいかった。かわいすぎた。そしてしばし、大人のどす黒い性愛でなく、純愛というものを信じたくなった。たぶん、そういうのって一時の気の迷いみたいなものではあるのだけど。
樹木希林さん亡くなる。
ついこの間までテレビで見てたのに、亡くなってしまわれた。
「今日までの人生、上出来でございました。これにて、おいとまいたします」
ユーモアがあるし、カッコいい。振り返って自分の人生、上出来と言えないのが虚しい。