アルゴ

アカデミー作品賞はだいたい観るようにしてるけど、これは観てなくて、なぜかというと結末が分かってるから観る気にならなかったのだけど、観てみたら、結末が分かっててもスリリングでありました。

ベン・アフレックといえば、マット・デイモンと作った「グッド・ウィル・ハンティング」は傑作だったけど、今作を監督したのを知って、あれがまぐれじゃなかったと分かった。

神様なんかくそくらえ

ダメな男でも惚れてしまったらしょうがないほど愛してしまう女。(もっとも女も、道端で物乞いをするようなダメっぷりだが)

男に捨てられた女は麻薬に溺れ、売人の男と暮らす。

どんなキッカケで元カレとヨリが戻ったか忘れた(自殺未遂だったか?)けど、2人は長距離バスに乗って新しい場所で新しい生活が始まるはずだったのに、女が寝ているスキに男はバスを降りる。

女はまた麻薬に戻っていく。

って話だったはず。

ひつじ村の兄弟

40年間口を利かず別々に暮らしている兄弟に40年前何があったのかを、観客は知らされないまま映画は終わる。

羊の伝染病で村の羊が全頭殺処分された中で、隠れて羊を飼う弟と、窮地に陥る弟を助ける兄。羊こそ自分の人生という点で一致する兄弟が、共犯者となることで和解の気配がしてくる。

雪に掘った穴の中で、瀕死の弟を泣きながら暖める兄。弟はすでに死んでいるのだろうか。

恋人たち

夫と姑との暮らしに飽いた中年主婦が少しだけ危険な匂いのする中年男にときめく話と、若くして妻に先立たれた男がやるせない人生から抜け出せない話と、ゲイの若手弁護士が同級生の営業マンに抱き続けた恋心を隠し通す話。

主婦は男のダメっぷりに気づかされて夫の元に戻り、ヤモメ男は立ち直りの兆しを見せ、ゲイは自信家の貌を自ら剥ぎ取る。それぞれがそれぞれの決着らしきものに行き着く。

主要人物の皆が二枚目や美人でないことがイイ。二枚目や美人でないからこそのリアリティと味がある。例えば、ブスで腹がタプタプの主婦瞳子が愛おしく思える瞬間がたまにある。たいがいの時間はブスでタプタプでバカなんだけど。